オムライスは日本生まれの洋食?

目次

はじめに

黄色い卵に包まれたケチャップライス。
子供の頃から食べてきた人も多い「オムライス」は、日本を代表する洋食の一つです。

ところで、こんな疑問を持ったことはないでしょうか?

「オムライスって、どこの国の料理なんだろう?」

実は、現在のようなオムライスは、日本の洋食文化の中から生まれた料理と考えられています。

しかも、その誕生には東京と大阪、それぞれの洋食店にまつわる物語があります。


今回は、オムライスがどのように誕生し、洋食文化から家庭へと広がっていったのか、その歴史を5つの段階に分けて見ていきます。

オムライスの原点は「ご飯を使った洋食」

オムライスが生まれる背景には、明治時代から大正にかけて日本で広がった「洋食」があります。

当時の日本では、西洋料理をそのまま食べるだけでなく、日本人の生活に合わせた料理が次々と生まれていました。

その中で、洋食店では肉や野菜などを使った料理だけでなく、日本人にとって身近な「ご飯」を使った料理も工夫されるようになります。

ここが、オムライスを考えるうえで重要なポイントです。

西洋料理と日本人の主食である「米」。
この2つが洋食の中で出会い、さらに卵を組み合わせることで、オムライスにつながる料理が生まれていきました。

オムライスにつながった要素

  • 日本人にとって身近だった「ご飯」
  • 洋食店で使われていた「卵」
  • 肉や野菜などの洋食料理
  • ケチャップなど、当時広まりつつあった洋風の調味料 

つまりオムライスは、単純に西洋料理を日本に持ち込んだものではありません。

日本人が普段食べていた「ご飯」と、洋食の食材を組み合わせた料理だったのです。

オムライス誕生 -発祥をめぐる2つの物語-

では、オムライスは何処で生まれたのでしょうか。

実は、発祥については一つの説に決める事ができません。

特に有名なのが、東京・銀座の「煉瓦亭」と、大阪・心斎橋の「北極星」です。

煉瓦亭には、卵とご飯などを混ぜて焼いた「元祖オムライス」があります。

一方、北極星には、現在私たちがイメージするような、卵でご飯を包むスタイルのオムライスが生まれたという説があります。

つまり、オムライスには、
「卵とご飯を一緒に焼く」というスタイルと、
「卵でご飯を包む」というスタイルが存在していたのです。

オムライス発祥のポイント

  • 東京・銀座の「煉瓦亭」
  • 大阪・心斎橋の「北極星」
  • 発祥については複数の説がある
  • 店によって異なるスタイルが生まれた
  • 現在のオムライスにつながる料理が大正期ごろから登場

「誰が最初に作ったのか」を一つに決めるよりも、複数の洋食店で独自のオムライスが生まれ、それぞれの形が発展していったと考えると、この料理の歴史より面白く見えてきます。

「卵で包む」というスタイルがオムライスを変えた

オムライスと言えば、やはり卵です。
ご飯を卵で包むことで、見た目にも華やかな一皿になります。

そして、この「包む」という調理方法は、オムライスを単なるご飯料理から、洋食店の看板メニューへと変えていく大きな要素になりました。

中身のご飯にも、店ごとの工夫が加えられます。

卵は薄く焼いて包む。

仕上げにケチャップをかける。

こうして、現在多くの人が思い浮かべる「昔ながらのオムライス」の形が少しずつ定着していきました。

そして面白いことに、オムライスは「包む」という基本形を残しながら、時代と共に姿を変えていく料理でもあります。

洋食店から家庭へ -なぜオムライスは広まったのか-

オムライスが日本中に広まっていった理由の一つがは、家庭でも作りやすい料理だったことです。

洋食店の料理というと、当時は「特別な日に食べるもの」というイメージがありました。

しかし、オムライスに必要な材料は、比較的身近なものでした。

家庭でも使いやすかった材料

  • ご飯
  • 卵
  • 玉ねぎ
  • 鶏肉
  • ケチャップ

特別な調味料や珍しい食材が無くても作ることができます。

しかも、ご飯を炒めて卵で包むという調理方法は、家庭の台所でも再現しやすいものでした。

ここが、オムライスが家庭料理として定着していくうえで大きなポイントだったのではないでしょうか?
さらに、オムライスにはもう一つの魅力があります。

子どもにも食べやすいこと

ケチャップの甘酸っぱい味と卵のまろやかさは、日本人にとって馴染みやすい味でした。

また、家庭によって中に入れる具材を変えることも出来ます。

鶏肉の代わりにハムやベーコンを使ったり、野菜を増やしたり、残ったご飯を使ったり。

洋食店の料理だったオムライスが、家庭の事情に合わせて少しずつ姿を変えていったのです。

そして、ここからオムライスは「洋食店で食べる料理」から、
「家庭でも作る料理」へと変わっていきました。

これはナポリタンにも共通する部分ですが、オムライスの場合は特に、家庭ごとに味や形が違う料理になったことが大きい特徴です。

「我が家のオムライス」というものが生まれたのも、こうした家庭への定着があったからでしょう。

時代と共に変化するオムライス

昔ながらのオムライスと言えば、薄く焼いた卵でケチャップライスを包み、上からケチャップをかけるスタイルです。

しかし、現在ではさまざまなオムライスがあります。

例えば、

  • 薄焼き卵で包む昔ながらのオムライス
  • 卵を半熟に仕上げる「ふわとろ」タイプ
  • デミグラスソースをかけたもの
  • ホワイトソースをかけたもの
  • 中のご飯をバターライスにしたもの
  • チキンライスではなく、さまざまな具材を使ったもの

など、その種類は実にさまざまです。

それでも、
「ご飯と卵を組み合わせる」というオムライスの基本は変わりません。

時代や店によって形を変えながらも、料理の核となる部分は残っている。

これも、長く愛されてきた料理ならではの面白さです。

まとめ | オムライスは日本人が育ててきた洋食

オムライスの発祥には複数の説があり、東京・銀座の「煉瓦亭」や大阪・心斎橋の「北極星」などが知られています。

そして、その後オムライスは洋食店だけの料理ではなくなりました。

ご飯・卵・玉ねぎ・鶏肉・ケチャップ
身近な材料で作ることができたからこそ、家庭へと広がり、「我が家の味」としても親しまれるようになっていきました。

そして現在では、昔ながらのオムライスから、ふわとろ卵やデミグラスソースを使ったものまで、さまざまなスタイルが楽しめます。

こうして見ると、オムライスは単なる「卵で包んだご飯」ではありません。

洋食店で生まれ、日本の家庭で育ち、時代とともに姿を変えてきた料理。
それが、私たちの知っているオムライスなのです。

次にオムライスを食べる時は、ぜひ「自分が好きなのは、どのタイプのオムライスだろう?」と考えてみてください。

昔ながらの薄焼き卵?
それとも、ふわとろ卵?
同じ「オムライス」という料理でも、その一皿には日本の食卓で積み重ねられてきた歴史があります。

知れば、もっとおいしい。

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